江西省南昌市進賢県にある文港鎮は、筆づくり技術を1600年以上受け継ぎ続けている町だ。人口5万人未満の小さな町である文港鎮は、2023年の書道筆の生産量は8億2000万本で、生産高は23億1500万元（約498億6018万円）だった。書道筆、及び関連の文化用品産業の売上高は82億5000万元で（約1776億8745万円）、書道筆の中国市場シェア率は80％に達している。
文港鎮の筆づくりの起源は、1600年前の東晋の時代にまで遡ることができる。筆づくりの技術は中華文化の発祥地である黄河中下流域・中原から文港鎮に伝わり、筆づくりという産業がそこで根をおろし、現在まで受け継がれてきた。清の時代に、文港鎮で作られた筆は皇室御用品ともなった。
文港鎮の伝統の筆づくりには、材料選びとなる選毛、毛そろえ、くり込み、仕上げ、銘彫など12のステップがあり、合わせて128工程以上にも達する。文港鎮で筆づくりの生産従事する企業は400社以上、工房は2200ヶ所、販売店は5100とあり、中国全土の90％を占めしている。
文港鎮は近年、書道筆をテーマとした文化的な街づくりに力を入れて、漢・唐の時代の雰囲気を漂わせたグッズ４00種類以上を開発してきた。
現在、文港鎮の宅配業も急速に発展し、配達件数は1日平均15万件を超え、文港鎮で作られた書道筆、文房四宝（筆墨硯紙）の中国市場シェア率は80％を超えた。
（中国経済新聞）