中国、1~4月はロシアからの原油輸入量がここ10年で最大 サウジに代わり最大の輸入先に

2024/05/24 07:30

ロシアから中国への原油輸出量について、今年4月は前年比9.5%増の926.06万トン(約6788万バレル)で、1-4月の累計は前年同期より18%近く増えて2.8億バレルであった。中国税関総署の5月20日の発表によると、4月の原油の輸入量について、ロシアからの割合が全体の21%を占め、サウジアラビア産は前年比25%減の約6170万バレルであり、ロシアはサウジアラビアに代わり最大の原油輸入先となった。

サウジアラビアは近年、世界的に原油価格を支配するため相次ぎ減産措置を打ち出しており、中国への輸出量が減少している。2022年10月にOPEC+が、2023年末までにサウジアラビアの50万バレル/日分を含めて200万バレル/日減産すると発表した。サウジアラビアは2023年4月と11月にも別途減産に踏み切っており、1日の生産量は能力の1200万バレルを大きく下回る900万バレルとなっている。

ロシアは、2022年にウクライナへの軍事侵攻を始めてから、インドや中国などアジア各国へ石油や天然ガスを安値で輸出するようになり、この結果中国はロシアが再び最大の原油輸入国となった。2023年、ロシアから中国への原油輸出量は前年比24%増の1.07億トンで、中国の全原油輸入量の19%であった。また中国の購入価格について、ロシア産が前年比16%減の約77.38ドル/バレル(約12089円)で、サウジアラビア産の85.53ドル(約13363ドル)や輸入平均価格の81.6ドル(約12749ドル)を下回っている。

中国・ロシア間の現在稼働中のエネルギー輸送ラインは、年間輸送量3000万トンの「スコボロディノ—大慶」原油パイプライン、同じく約1000万トンの中国ーカザフスタン原油パイプライン、2023年の輸送量が227億立方メートルである天然ガスパイプライン「シベリアの力」の計3本があり、天然ガスについては2025年までに輸送量が380億㎥/年となる見込みである。

また、中国・ロシア間では別に3本の天然ガスパイプラインが建設中または計画中である。このうち「極東ライン」は輸送力100億㎥/年で年内に着工予定、モンゴル経由のラインは輸送力500億㎥/年で2029年に稼働予定、さらにカザフスタン経由で350億㎥/年を輸送するラインの計画もあり、現在協議中である。

中国は2023年、ロシアからの全輸入額のうちエネルギーの割合がおよそ7割を占め、この中で石油と天然ガスが大口2品目となっている。このうち原油の輸入量は1億トン以上で、金額では約4277億元(約9.23兆円)である。またLNGの輸入は804万トン以上で、天然ガスパイプラインとLNGの合計輸入額は816億元(約1.76兆円)弱となっている。

(中国経済新聞)