テンセントが5月14日に発表した2024年第1四半期の決算報告によると、売上高は1595億元(約3.43兆円)、調整後の純利益は前年同期比54%増の502.7億元(約1.08兆円)で、粗利益は同23%増の838.7億元(約1.81兆円)であった。
この中で、オプションサービスの収入は前年同期比0.9%減の786億元(約1.69兆円)で、うち海外のゲームは3%増の136億元(約2928億円)、国内のゲームは345億元(約7427億円)、SNSは2%減の305億元(約6566億円)であった。ネットの広告収入は26%増の265億元(約5704億円)で、フィンテックおよび企業サービスの収入は7%増の523億元(約1.13兆円)であった。
また、2024年3月31日時点で海外も含めたWeChatの月間アクティブユーザー数は前年同期比3%増の13.59億人で、QQの月間アクティブユーザー数は7%減の5.53億人、有料オプションサービスのアカウント登録数は12%増の2.60億人であった。
動画の有料会員数は8%増の1.16億人、音楽の有料会員数は20%増の1.14億人、動画アカウントの利用時間合計は80%以上の増加であった。商品類の開拓やコンテンツ創作者の参入を促したことで、動画でのライブコマースが定着していった。
ミニアプリの利用時間は前年比20%以上の増加で、うちゲーム以外の1日平均利用回数は前年比二桁増、ミニゲームの利用は30%増であった。
また動画について、「繁花」(ファンホア、 Blossoms Shanghai)、「猟冰」、「完美世界第四季」(Perfect World Season 4)など人気の自作TVドラマや動画シリーズを次々と発表したことで、長編ものの有料会員数は8%増えて1.16億人となった。
さらに、音楽と動画の連携を強化し、人気ドラマ集「与鳳行」のサウンドトラックを発表している。
国内での主力ゲームである「王者栄耀」と「和平精英」は、新たな商業化の流れやゲームコンテンツのデザイン改良といった好条件に恵まれ、2024年3月の利用数は前年同期を上回った。
テンセントの創業者でCEOであるポニー・マー氏は、「2024年第1四半期は、国内外でいくつかある主力ゲームでメンバーの入れ替えが功を奏して利用数が増え、今後しばらくは売上の回復が見込めそうな状態となった。これからもWechatの動画アカウントや検索広告、ミニゲームアプリのサービス料、動画提供者への技術サービス料など、質の高い収入源を生み出していき、粗利益や営業利益が売上高の伸びを上回るようにしていく。また、資本残高の株主への見返りも進め、計画通りに2024年には1000億香港ドル(1.9兆円)以上の株式買い戻しを果たし、配当利息を上げ、さらにAIへの投資を続けてアプリの改良や価値あるコンテンツの生産にも取り組む」と述べている。
(中国経済新聞)