長安汽車、新エネ車への取り組みを加速 自社・合弁の両方で攻勢かける

2024/05/13 13:30

長安汽車はこのほど、フルサイズ高級インテリジェント型EVのSUV「啓源E07」を発表した。EVとターボ式の2種類にそれぞれ2WDと4WDのタイプがあり、走行距離は550~1000キロメートルの間で4つのレベルに分かれる。これまでの新エネ車とは異なり、トランクルームとキャビンの配置を変えることが可能で、ピッキングトラックのような形にもなる。

新エネ車の「深藍」(Deepal)や「アバター」などを打ち出した長安汽車が現在、さらに攻勢をかけている。

外資系メーカーとの合弁については、「長安マツダ」が初のEV「MAZDA EZ-6」を発表した。長安汽車の電動化やインテリジェント化の技術をベースにマツダのデザインや操作性、安全性を上乗せしたもので、2024年中に発売の見込みである。

マツダの毛籠勝弘社長兼CEOは、「電動化やインテリジェント化の流れに合わせ、長安汽車との提携を深めながら、両者の強みを十分に生かし、新たな合弁モデルを耕していく」と表明した。

新エネ車について、長安は早期に着手していたが、ここ2年間は販売台数が伸び悩んでおり、BYDや吉利など改革を急いでいる国内メーカーに負けている。4月1日に発表した販売台数のデータを見ると、自社製の新エネ車は3月が前年同期比47%増の5.29万台で、第1四半期は同じく52%増の12.88万台となっている。

長安は今、この台数を一段と伸ばすべく、ブランドや技術路線を多様化している。現在はEV、PHEV、ハイブリッドターボ、燃料電池車などをそろえており、また外資系との提携については、長安フォードとともに「長安福特新能源汽車科技」を発足させ、フォードへ電動化、インテリジェント化に関する技術を送り出している。またマツダも、「長安と提携を深め、新エネ車4タイプを発表する予定」と表明している。

長安汽車の王俊社長は取材に対し、「自動車界は現在、人気度や価格を争っているが、根幹となるのはやはり技術や効率である」と述べた。また新エネ車の動向について、ある一つの会社や国、地域が発端で変わることはないと見ている。ただし、「会社や地域によってスピードや最適な成長の仕方は異なり、ある程度は新エネ車の成長具合や進度に影響するだろうが、全体の流れは大きくは変わらない」とも述べている。

(中国経済新聞)