中国の料理宅配大手・美団(Meituan)は、現地のコア事業について見直しを進める。CEOの王興氏が4月18日に社内あてのメールで発表した組織替えの中身を見ると、「家庭事業群」、「店舗事業群」、「美団アプリ」、そして基盤の開発を一つにまとめた「現地コアビジネス」が対象となっており、「家庭事業群」と「店頭事業群」を「現地コアビジネス」に編入して王莆中氏がCEOを務めることになった。美団の組織替えは今年に入って4回目であり、各事業の独立運営から協調性のとれた形へと変えていくことが狙いである。
王氏は1984年生まれで、2015年に入社し、高級品デリバリー総監やデリバリー事業部、配送事業部の責任者を務め、現在は「美団S-team」(最高決定委員会)の最年少メンバーである。
美団は今年2月に、大衆点評、SaaS、騎行、モバイルバッテリーなどの各事業を上級副総裁である張川氏が統括すると発表していた。また3月には社内あてのメールで、店舗飲食事業部は魏巍氏が、デリバリー契約アプリは章若愚氏がそれぞれ統括し、薛氷氏がデリバリー事業部の責任者となるというローテーション人事を発表している。4月11日にまた社内メールで、デリバリー事業部内に都市経営業務部、チェーン業務部、供給探索部の3部門を設け、いずれも社内の若手を責任者に抜擢すると発表した。
美団のこうした組織替えは、Tiktokなど競合他社の存在を前に、運営効率や利用性の向上を図ることが狙いである。事業スタッフ同士で緊密に横展開することで、一段と優れたサービスを施し、店側の運営効率を引き上げることを目的とするほか、スタッフをまとめることで消費者のニーズをより良く把握し、商品や価格面で競争力がついて、安心して利用ができるというものである。組織の変革も、アプリや開発の資源を統合することでコストダウンも果たし、急激に変化するマーケットや課題に対応していく。
(中国経済新聞)