中国、第1四半期はGDP成長率5.3% 予想を上回る

2024/04/19 07:30

2024年4月16日、中国国家統計局は、注目されていた2024年第1四半期の経済指標を発表した。国内総生産(GDP) は29兆6299億元(約632.58兆円)であり、前年同期からの成長率は5.3%、前期比では1.6%増であり、今年の中国経済はひとまず好スタートを切った。

数字を細かく見ると、全国の一定規模以上の工業各社は生産額合計が前年同期比6.1%増、一般消費財の小売り総額は同4.7%増、全国の固定資産投資額(農家を除く)は去年より1.5ポイント高い4.5%増であった。投資については製造業やインフラ関連が大きく伸びており、成長の原動力となっている。

中国国家統計局の盛来運副局長は、国務院新聞弁公室の記者発表会で、「第1四半期の中国経済は好材料が重なり、年間の経済目標達成へしっかりした土台ができた」と指摘した。外的な環境は複雑で不透明ではあるが、中国経済の安定回復へ土台は一段と固まっていると強調している。

盛副局長はさらに、「次のステップでは引き続きマクロ政策に力を入れていく。新たな生産力を育て、経済の活力やリスク予防を強化することで、経済の回復傾向をさらに固めていく」と説明した。

今回、GDP成長率が予想以上だったことについて、粤開証券のチーフエコノミストである羅志恒氏は、「政府の経済活動会議で示された取り組みを地方政府が旧正月明けすぐに実行したことによる。政策に力が入り、実体経済に対する金融面での支援が強化され、去年発行した国債が使用されたことも理由の一つ」と分析している。

また、東方金誠のチーフアナリストである王青氏は好調の理由について3つの要因を挙げた。「一つ目は、預金準備率の引き下げやLPR利下げ、そして最近の大規模な設備更新や耐久消費財の下取りといった策の実施により、国内需要の刺激効果が表れた。中でもインフラ投資が特に好調であり、これも安定成長を目指した策の結果である。二つ目はサービス消費や製造業の投資の急拡大など、内側での成長機能が改善している。そして三つ目は、サイクル的な理由などで年初に海外需要も回復し始めた」とのことである。

さらに、海外の金融機関も中国の2024年の経済成長予測を上方修正している。ゴールドマンサックスは第1四半期の前期比から見た成長率の年率換算を、これまでの5.6%から7.5%に、年間GDPの成長率は4.8%から5.0%にそれぞれ改めた。シティグループも、年間GDP成長率を4.6%から5%に格上げしている。

(中国経済新聞)