中国のネットサービス大手の「テンセント」は2023年、営業収入が前年比10%増の6090.15億元(約12.75兆円)、調整後の純利益は同36%増の1576.88億元(約3.30兆円)という著しい成長を示した。ビデオアカウントの再生時間が倍増し、広告AIモデルも改善、そして海外でのゲーム収入が全体の30%で過去最高に達するなど、様々な商品やサービスが好調だったためである。テンセントはまた、株主に報いるため、2024年は自社株買いの数を2倍にして1000億香港ドル(約1.93兆円)以上とすると発表した。
Wechatの月間アクティブユーザー数は、海外版とも合わせると13.43億人となり、ビデオアカウント、ミニアプリ、ミニゲーム、検索などの各商品が新たな成長を支えている。ビデオアカウントは第4四半期の広告収入が前年の2倍、ミニゲームは利用数が年間で50%以上の伸び、検索は日次アクティブユーザーが1億人を超えるなど、エコロジーの強い活力や商業価値が示された。フィンテックについては、海外での決済方法の改善や香港のウォレットであるWeChat Pay HKの域内使用範囲の拡大といった形で、さらなる革新を模索している。
テンセントはゲームについて、海外での収入が2023年第4四半期には139億元(約2912億円)、年間ではゲーム全体の収入の30%となる532億元(約1.11兆円)であった。海外展開が大きく進展した上、事業を世界に広げる突破口が築かれたことになる。自社開発や世界でのリリース、投資を通じて、海外でのエコロジーに十分溶け込んで、様々な国で多元的な成長を果たしている。
決算報告ではまた、研究開発費について、2023年は164.33億元(約3443億円)で、6年間で合計2696.54億元(約5.65兆円)と示された。AIや大規模言語モデルの活用が功を奏しており、特にフィンテックや企業サービスは第4四半期の収入が売上高全体の35%となる543.79億元(約1.14兆円)であった。企業サービスは大規模言語モデルに支えられて各商品がアップグレードしている。大規模言語モデルのテンセント版「騰迅混元」は社内400件以上の事業でテストをし、さらにはテンセントファイルやテンセントミーティングなどに導入されている。
(中国経済新聞)