中国製薬大手の「白雲山」が3月15日夜に発表した2023年の決算報告によると、売上高が前年比6.68%増の755.15億元(約1.58兆円)、会社帰属の純利益が同2.25%増の40.56億元(約850億円)であった。
この中で、内科用薬、抗菌薬、ED治療薬、鎮痛剤・解熱剤など4つのカテゴリーの計9品目のうち、「バイアグラ」の中国版であるシルデナフィルくえん酸塩(商品名「金戈」)の売上高が唯一10億元(約209億円)を超え、12.895億元(約270億円)に達した。
白雲山の発表によると、「金戈」は2014年~2020年の販売数量が順に2.92万個、1495万個、2498万個、3963万個、4773.99万個、6275.29万個、7834.52万個で右肩上がりである。さらに2021年の決算報告では9849万個、売上高は前年比18.73%増の9.88億元(約207億円)で、全商品の中でトップだった。また粗利率も名酒「茅台」に匹敵する88.6%に達している。
「華西証券」によると、2021年、中国全体のシルデナフィルの売上規模のうち「金戈」の占める割合は48.56%で、「ファイザー」と合わせるとシェアは92.9%であった。「金戈」はED治療薬の中でトップであり、オンライン販売における化学薬品TOP20を見ても最上位であった。
ただし2022年に入り、販売数量が減った。白雲山の2022年の決算報告によると、「金戈」の売上高は前年比6.43%増の10.52億元(約220億円)で、同社初の10億元(約209億円)商品となったが、数量は2021年より1166.91万個、率にして11.85%少ない8682.91万個であり、発売から10年目で初めて前年割れとなった。白雲山は決算報告で、2021年に在庫が増えすぎたので生産受託先が「年間の販売状況」に合わせて生産を控え、年間生産量が30%以上も減ったと表明しているが、販売量の減少については未記載である。
(中国経済新聞)