中国EV大手「BYD」の王伝福(Wang Chuanfu)会長は、2024年百人会フォーラムで、「新エネ車の市場普及率が先週に48.2%となり、今後3か月以内に50%を超える見込みだ」と述べた。新エネ車が市場の主役に躍り出たことになる。王会長は、「新エネ車の成長はもはや止めようもなく、特に中国では変化のスピードや効率が外国よりずっと上だ」と強調している。
2023年は全世界でEV乗用車の販売台数が1300万台以上で、全体に占める割合はおよそ18%となった。特に中国は788万台で普及率が35%以上となり、業界は今、量から質に移行する大切な時期に差し掛かっている。新エネ車の開発が進み、新車が続々と打ち出されている中、中国は新エネ車市場が急速に拡大し、飛躍的な成長を遂げる段階に近づきつつある。
こうした情勢で将来性も十分と見られているが、王会長は業界について心配感も示している。新エネ車は今後も十分に期待できるもので、中国でのEV乗用車の普及率は今の35%から年内には45%となり、数にして200万台以上増えると見込まれるが、競争も一段と激しくなって、業界はつぶし合いの段階に入っているという。自動車産業が成長して構造改革が進んでいる中、統合再編は避けられないものとなっている。また、新エネ車メーカーはこのような状態に適応すべく、早期に規模を拡大しブランド力を確立しなければならない。
また王会長はフォーラムで、スマート化の重要性をとりわけ強調した。「電動化が急速に進んでいる中、スマート化が変わりゆく傾向にあり、これからの取り組みの主眼になろう」と指摘している。BYDは今年1月にスマートアーキテクチャを発表了した上、スマート運転アシストシステムについて「20万元(約400万円)以上の車種はオプション装着、30万元(約600万円)以上は標準装備とする」と発表した。また今年2月には、二大開発センターである計画院と工程院が組織替えをした。計画院は劉柯氏をトップとするスマートコネクテッドセンターと、韓氷均氏をトップとするスマート運転センターが統合し、2人ともそのまま在任するという。
(中国経済新聞)