中国で時価総額200億元(約4110億円)を超える大手塗料メーカー「三棵樹」(3trees)が、不動産大手の恒大グループ(Everground group)の4社を相手取り、約1.9億元(約39億円)を求める訴訟を起こした。三棵樹と恒大は約1.8億元(約37億円)の購買契約を結んでおり、恒大が支払い保証手形で代金を払おうとしたが、2021年6月に拒否された。そこで、深センにある恒大都会広場の分譲マンション49軒で返済すると申し出た恒大に対し、三棵樹が手付金と差額を支払ったが、建物引き渡しの手続を果たせないでいた。
その後三棵樹は、これらの物件が2022年6月以降に転売されていたことを知り、代金も物件も失うという事態に陥った。そこで三棵樹は、恒大グループとその関連会社を相手取り、代金と物件の購入手付金および差額分など、総額およそ1.9億元(約39億円)の支払いを求めて訴訟をすると決定した。
三棵樹はこのところ子会社も含め、2024年3月12日までに12か月間連続で訴訟案件が生じており、仲裁案件も含めると合計430件に達し、その金額は合わせておよそ3.5億元(約72億円)となっている。この額は、親会社帰属の監査後純資産額の15.56%である。
三棵樹は公開状で、「これらの訴訟や仲裁案件は結果が出ていないので、会社のこれからの利益に対する影響はまだ不透明である」と表明している。今回の恒大とのトラブルは、金額も莫大である上、事業の運営や会社のイメージにも支障が出かねないものである。事態が進展するにつれて、一般大衆や投資家からの関心度も高まっており、最終結果がどう出るか、業界の内外で注目されている。
(中国経済新聞)