中国映画、「第二十条」が「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」を超え興収歴代30傑に

2024/03/15 13:00

中国の映画分析アプリ「灯塔専業版」によると、「第二十条」が興行収入23.94億元(約492億円)となり、「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」を抜いて歴代ベスト30に入った。

「第二十条」は、人間性と道理を深く掘り下げたドラマで、名監督のチャン・イーモウ氏が指揮し、レイ・ジャーインやマー・リーなど有名どころが出演する。中年検察官の韓明(レイ・ジャーイン)が、キャリアアップを求める中でセンセーショナルな事件に巻き込まれる。人間性やモラル、道理について考えさせられるものである。レビューサイトの豆瓣では7.6点が付けられ、うち41.8%が4つ星の評価を下し、25%が満点の5つ星としている。

主人公である韓明は信念を持つ検察官で、キャリアアップを目指して燃えていた。ところが不意の交通事故により人生計画が大きく崩れ、道のりを変えていった。この事故で彼は、事件の背後に潜んでいた陰謀や権力争いを見出したほか、家族も事故をきっかけにトラブルに襲われ、妻が死に、娘がけがをして、深い悲しみや自責の念に襲われてしまう。

二重の災難に見舞われた韓明は、自分への価値観や人生の目標について疑念を抱くようになる。本当に道理や正義を守れるのか、権力や利益を前に冷静な自分でいられるのか、といった不安感を覚えた。こうした中で、同僚や上司、そして自分自身の心と葛藤し、激しくせめぎ合いを演じるようになった。

映画では、悩みにもがき、決断をする韓明を描くことで、人間の混沌とした部分や多面性を深く掘り下げる。その中で、甚大な重圧や誘惑を前にしながら信念や信条をどのように守るか、あるいは悩みの中でどのように勇敢に本心や現実と向き合うか、という韓明の姿が見えてくる。リアルで深い感情表現を見ると、「実際の生活でも、権力や利益の誘惑を受けたら信念や信条をかたくなに守れるだろうか」などと考えさせられてしまう。

(中国経済新聞)