白酒(パイチュウ)メーカーの「水井坊」、2025年純利益71%減の見込み

2026/01/30 11:30

中国の伝統蒸留酒、白酒(パイチュウ)メーカーの「水井坊」は1月19日、2025年度の業績予想を発表した。同社によると、2025年の帰属親会社株主に帰属する純利益(帰母净利润)は約3.92億元(約86億円)で、前年比71%の大幅減となる見通しだ。また、営業収入は約30.38億元(約670億円)で、同42%減と予想されている。この純利益水準は、2018年以来の最低レベルに相当する。

水井坊は業績悪化の主な理由として、白酒業界全体が直面する「深度調整期」を挙げている。具体的には、宏观経済サイクル、産業構造調整、政策変更の三重の影響が重なり、伝統的なビジネス接待や宴席などの消費シーンが回復遅れを続けている。業界全体で在庫水準が高止まりしており、同社は「チャネル(流通経路)の健康維持」を最優先目標に据え、出荷ペースを適度に抑制、在庫構造の最適化、チャネル資金の安全確保に注力した。これにより、短期的な売上・出荷量は減少したが、チャネルの在庫品質、価格安定性、分銷構造は改善されたという。

同社は2025年に「出荷停止」「買贈政策の最適化」「市場秩序管理の強化」などの一連の調整措置を実施した。これらは短期的に売上を圧迫したものの、将来的な安定回復のための基盤整備だと位置づけている。水井坊は「本年度の業績変動は、業界サイクルと自社の積極的調整が重なった結果であり、現段階での構造最適化とチャネル維持は業界の価値回帰に合致する」との見解を示した。

四半期別の推移を見ると、2025年第1四半期は営業収入が前年比+2.7%、帰母純利益が+2.2%と小幅増だったが、第2四半期以降に急落した。上半期全体では営業収入-12.8%、帰母純利益-56.5%と大幅減。第3四半期には営業収入-58.9%、帰母純利益-75%とさらに悪化し、年間を通じて低迷が続いた。

この背景には、2025年5月18日に中共中央・国務院が改正・公布した『党政機関厲行節約反対浪費条例』(以下、条例)の影響が大きい。条例は党政機関の節約・反浪費を徹底し、「過度に厳格に簡素化し、緊縮生活を率先し、すべての事業を勤倹に運営せよ」と強調。特に「公務接待」の章で、工作餐(業務食事)において高級料理の提供禁止、香煙・酒の提供禁止を明確に規定した。これが「禁酒令」として広く認識され、各地で違反飲酒の厳格取り締まりが展開された。

条例公布後の6月、中国の飲食収入は前年比わずか+0.9%と、前月から5ポイント急減し、2023年以来の最低成長率を記録した。また、煙酒類商品の小売額も同-0.7%と珍しく減少に転じ、5月の+11.2%から急変した。この政策ショックが、高級白酒の主要消費層である公務接待需要を直撃し、水井坊を含む次高端(中高級)白酒ブランドに深刻な打撃を与えた。

水井坊は主力ブランドとして「水井坊」(高端濃香型白酒)と「第一坊」を擁するが、今回の業績悪化は業界全体の縮小傾向を象徴している。

(中国経済新聞)