中国の通信機器メーカー・ファーウェイは3月5日、vivoとの間で、5Gを含むセルラー通信規格必須特許を対象とするグローバルな特許クロスライセンス契約を締結したと,発表した。またファーウェイはこの日さらに、訴訟の和解としてアマゾンとも長期の特許クロスライセンス契約を結んだと発表した。
ファーウェイはこの1年あまりで、サムソン、OPPO、ノキア、エリクソン、シャオミ、シャープ、アマゾン、vivoなど同業他社との特許クロスライセンス契約の新規締結や更新を続々と発表している。2023年はファーウェイの特許ライセンスを持つ5Gスマートフォンが世界におよそ4.5億台以上存在するとのことである。
ファーウェイは2023年、使用量基準など3件に渡る特許ライセンス費用の新たな計画を発表した。このうちスマホの特許料は、これまでの5Gから4Gも対象となった。5Gについては1台2.5ドル以下で据え置きしているが、4Gは1.5ドル以下とするという。このほかの2件はWi-FiとIOTであり、Wi-Fi6対応の機器は1台あたり0.5ドル、資産管理機器などIOT技術を軸としたものは本体価格の1%で最大0.75ドルとしている。IOTにより接続性を強化した機器は1台0.3–1ドルとする。
ファーウェイはここ2年間で、世界的に特許料の徴収に力を入れている。
以前に発表された数字では、2022年のライセンス収入は規格必須特許を中心に約5.6億ドルであり、5Gスマホおよそ3.5億台とコネクテッドカー1500万台がファーウェイのライセンスを備えている。またおよそ3000万世帯のブロードバンドでライセンスを有し、世界の45%のデータ通信接続がファーウェイのライセンスを備えている。
ファーウェイはまた去年6月に、日本の中小企業およそ30社に対し特許料を請求したほか、東南アジアでも特許料の徴収を強化している。
ファーウェイの幹部である瀋弘飛(Pan Hongfei)氏は今回の契約について、「vivoと友好的に話し合った末に締結したもので、知的財産権を互いに認め合っている。基盤技術への共同での投資である。ここ数年間のライセンス関連の取り組みを振り返ると、世界の大多数のスマホメーカーと提携合意している。以前WIFI規格をめぐって特許権を争っていたアマゾンとも今は合意に達している」と述べている。
瀋氏によると、ファーウェイの研究開発費はこの10年間で9773億元以上であり、2022年は年間売上分の25.1%にあたるおよそ1615億元で、これまでにない投入だったという。
ファーウェイの松山湖の工場と研究開発拠点
世界各地で頻発している5Gをめぐる特許訴訟について瀋氏は、「世界的に見て、テクノロジー企業動詞の訴訟はどこにでもある一般的なことだ。特許は自動的に収入になるものではなく、無形資産であって、有形資産に比べて法的に守る必要性が高い。発明者はビジネス化する際も法律の範囲内で行うべきだ。世界的に見て、イノベーションの中心はみな知的財産権保護の中心である」と述べている。
瀋氏は、「特許料は安すぎるとイノベーションが止まるので、長期的な巨額の投資が必要であり、適切な見返りが必要である。さもなければイノベーションが続かなくなる。ただその一方で、特許料が高すぎると産業で不合理な費用負担が発生し、イノベーションは一部の人の特権となってやはり抑え込まれてしまう」と述べている。
(中国経済新聞)