中国の自動車メーカー「理想汽車」(Li Auto)がこのほど、EVタイプのMPV新車「理想MEGA」を発表した。最低価格は55.98万元(1168万円)で、3月11日に発売開始という。800Vアーキテクチャーで、CATLとの共同開発による5Cレートの「麒麟電池」を搭載し、12分間の充電で500キロメートル走行する。また理想汽車は、全シリーズでクアルコムの8295Pチップ搭載という新型のLシリーズを披露した。同社の販売部門副総裁である劉傑氏は、「今年は新エネ車の中で、20万元(約400万円)以上の車種が50%前後、台数にして350万台が流通し、上位3社による競争体制が一段と鮮明になる」と予測している。
また、理想汽車の創業者である李想氏は、今後数年間で60億元(約1252億円)をかけて5Cレートの超急速充電ステーションを5000か所以上建設し、高速道路や主要国道の95%に分布させるほか、2024年は都市部での充電ステーションでフランチャイズモデルを導入する予定と述べた。さらに、第2四半期にL6発売し、年後半にはEVのSUVを3タイプ発表して、ラインナップを8車種に広げるという。一方劉氏は、MEGAの月間販売台数を8000台と見ており、50万元(1000万円)クラスの乗用車でトップに立つことを目標としている。
中国ではMPVは人気車種ではないが、理想は50万元(1000万円)以上の新エネ車はやはり見込み十分と見ている。ここ1年間は新興メーカーの中でトップを走っている理想だが、ファーウェイなどとの競争が激化し、価格競争の波にさらされている。劉氏は、「他のメーカーとは違って一般家庭での利用者が多い。引き続きEVとターボハイブリッドという技術路線を進み、今年もターボ車種を販売の主力としていく」と強調している。
理想汽車の創業者である李想氏
理想はまた今年、中東市場への進出を予定しており、すでにUAEドバイで販売・サービススタッフを整え、10月以降に車の引き渡しを始めると見られる。劉氏は、「直営モデルによる健全で長期的な運営を維持する。直営は販売コストが抑えられるので、技術開発や新たな投資を続けられるだけの資金が確保される」と述べている。
(中国経済新聞)