山東省、水素自動車に対し高速料金を無料化

2024/03/5 08:00

山東省の交通運輸庁、発展改革委員会、科学技術庁が「水素自動車の高速道路通行料金無料化に関する通達」を発表した。2024年3月1日から2年間にわたり、ETCを装着した水素自動車は省内の高速料金を免除するとのことで、2年後は状況を見て改めて検討するという。

山東省はこれ以前にも、水素産業の成長を支援する取り組みを相次ぎ発表している。「山東省水素能産業中長期発展計画」によると、2025年には水素エネルギーの産業網をほぼ整備し、燃料電池車10000台を走行させ、水素ステーションを100か所とし、生産額を1000億元(約2兆円)以上とする予定である。

今回の高速無料化措置について、ある水素エネルギー業界の関係者は「中国で初めての措置であり、省内で水素自動車の普及が進み、車にかかる経費が節減できるほか、大勢の人が安くて便利に移動できるようになり、車の購入意欲も湧いてくる」と述べている。

水素エネルギー普及への大きな拠点である山東省は現在、済南-青島間に水素ステーションを設けた高速道路を建設したほか、多くの水素エネルギー関連企業が存在している。2021年の大型トラック保有台数は100万台で、水素自動車の保有台数は2023年9月現在で1200台、2025年には1万台とする予定である。

上記の水素エネルギー業界の関係者は、「業界内では以前から水素自動車の高速料金減免を求めていた。天津市も2022年に実施経験があり、今年山東省が実行に踏み切ることで他の省も追随することになろう」と述べている。

(中国経済新聞)