上海市黄浦区浜江壱号院の団地の住民が先ごろ、「同じ団地内のPCR検査で1日に13人陽性判定を受けたが、その後臨時病院などで再検査したところ、全員が陰性だった」と訴えた。PCR検査の正確性が疑わしいというのである。
この団地のPCR検査を担当したのは、中国科学院、潤達医療、巨星医療の共同出資で設立された、上海中科潤達精准医学検験である。
5月10日午前に行われた上海市の新型コロナ対策に関する記者会見で、衛生健康委員会の趙丹丹副主任はこれについて、「検査実施機関の調査を始めており、違法な事象が発覚した場合は法に基づき容赦なく厳正に処分する」と述べた。
この情報発表後、上海中科潤達の筆頭株主である潤達医療の株価がストップ安となった。
なぜ「偽陽性」が発生したのだろうか。
上海でPCR検査を手掛ける専門家によると、「偽陽性が出るのは極めてまれであり、発生しとなると検査室の管理や結果の分析力に問題があるのではないか」と述べた。
上海中科潤達は現在、検査を上海中科潤達精准医学検験有限公司と黒竜江竜衛精準検験センターの2社に委ねており、2021年のこれら2社の売上額は前年を125%も上回る3.53億元となっている。
(中国経済新聞)