中国、8年連続でドイツの最大の貿易相手国に

2024/02/22 16:00

ドイツ経済研究所(IW)は、ドイツ中央銀行のデータをもとに、2023年の中国への直接投資額は前年比4.3%増で過去最高の119億ユーロ(約1.93兆円)であったと発表した。また対外投資額に占める中国への投資の割合は10.3%で、2014年以来の高い値となった。他のアジア各国への投資額は8%前後にとどまっている。

また、ドイツ連邦統計局の最近のデータで、2023年の中国との貿易額は2531億ユーロ(41.06兆円)であり、中国が2016年から8年連続で最大の貿易相手国となっている。ただ貿易額は2022年と比べると15.5%減っており、このうち輸入は19.2%減の1557億ユーロ(約25.26兆円)、輸出は8.8%減の973億ユーロ(約15.78兆円)であった。

中国ドイツ商会が2024年1月に発表した「2023/24年度ビジネス信頼感調査」によると、調査対象者のうち「向こう5年間は業界が成長を維持する」と答えた割合が78%、「向こう2年以内に中国で増資する予定」との答えが54%で、これについては回答企業の79%が「中国で競争力を維持するのに必要なこと」と答えている。

またこの報告によると、ドイツ企業は中国企業のイノベーションの牽引力が高まっていると見ている。うち当該業界で中国企業が現在リーダーとなっている、または向こう5年以内にリーダーとなると見ている企業が51%で、中でも自動車業界では69%に達している。

この白書では、外向型であるドイツ経済からすれば巨大な中国市場はやはり極めて魅力的であり、その中でドイツ企業は競争の波を受けて現地化をさらに推し進めるなど、中国での経営方針をシフトしていると見ている。中国本土の企業とパートナー関係を結んでともに市場開拓をする企業が増えつつあり、また一方で競争により中国での研究開発にかなりの資源をつぎ込み、中国に適した製品を開発するようになっている。さらには、中国のイノベーションを利用して全世界に新たな製品を供与する動きも広まっているという。

(中国経済新聞)