中国A股市場において、2025年8月22日22時時点で1657社の上場企業が2025年上半期の財務報告を公開した。そのうち959社が純利益の前年比増加を達成し、全体の57.88%を占める。特に電子、運輸、農林水産、自動車、機械設備、非鉄金属、家電、社会サービスなどの業界が顕著な業績向上を示した。
公開された報告によると、223社が株主に帰属する純利益の前年比増加率が100%を超え、382社が50%超、530社が30%超、794社が10%超の成長を記録した。業界別では、電子分野がAI関連需要の急増により、半導体やPCB(プリント基板)関連企業が大きく成長。運輸や自動車業界も政策支援や消費回復により好調だった。
収益規模では、601社が株主に帰属する純利益が1億元(約20.57億円、為替レート:1人民元=20.57円、2024年12月3日時点)を超え、91社が10億元以上を達成。主要企業では、中国移動、貴州茅台、寧徳時代、中国電信、中国石油化工、工業富聯、牧原股份、華能国際、洛陽モリブデンなどが上位に名を連ねた。
貴州茅台:白酒(中国の蒸留酒)業界のトップ企業で、売上高910.94億元(約1兆8740億円)、純利益454.03億元(約9338億円)を記録し、前年比それぞれ9.16%、8.89%増。安定した生産と品質向上が寄与した。
寧徳時代(CATL):電気自動車用バッテリーの世界的リーダー。AIや新エネルギー車需要の拡大を受け、堅調な成長を維持。
工業富聯:クラウドコンピューティングとAIサーバー事業が牽引し、売上高3607.6億元(約7兆4188億円)、純利益121.13億元(約2491億円)、前年比それぞれ35.58%、38.61%増。
中国国家統計局によると、2025年7月の70大中都市の住宅価格は前年比で縮小傾向にあるが、上海など一部都市は上昇を維持。AIや新エネルギー関連の構造的成長が、電子や自動車業界の業績を押し上げた。また、政策による消費刺激や産業再編が企業の収益力向上に寄与している。業界専門家は、下半期もAIや消費関連セクターの成長が続き、A股全体の収益回復が期待されると分析している。
223社超の純利益倍増は、市場の回復力と成長分野の強さを示す。投資家は高成長セクターや低評価の優良株に注目し、中間決算を活用した投資機会を模索している。2025年下半期も、政策支援と技術革新が市場を牽引する見込みだ。
(中国経済新聞)