EU、TikTokへ調査を開始

2024/02/21 20:29

EU委員会は、2020年12月15日にIT企業の独占に歯止めをかける目的で「デジタルサービス法」(DSA)と「デジタル市場法」(DMA)の原案を打ち出し、その後2023年8月末に、中国企業が運営する動画共有アプリTikTokなど、月間アクティブユーザー数が少なくとも4500万人にのぼる大手ネットワークアプリや検索エンジンの計19社に対し、前倒しでの義務の履行を命じた。さらにこのほど、DSAとDMAの両法案が全面実施されたことを受け、ほぼすべてのネットワークアプリが対象となり、TikTokも新たに調査を受けることになった。

EU委員会は現地時間2024年2月19日に、TikTokへの調査を始めるとの声明を発表した。これによると、「TikTokからのリスク評価報告への分析や当委員会に対する(違法コンテンツや未成年者保護、データアクセスに関する)正式な返答など、これまでの事前調査に基づいて、DSAに沿ってTikTokを本格的に調査すると決定した」とされている。

この調査は、未成年者の保護、広告の透明性、研究者のデータアクセスの評価、過激なデザインや有害コンテンツの管理などにおけるDSAへの違反の有無、および適切かつ適度な措置の実施の有無、未成年者への高度なプライバシー、セキュリティー、保障などの確保などについてのものという。EU委員会は、本格的な調査を始めたのちにさらなる取締り策を講じることができる。

データによると、EUではTikTokの月間アクティブユーザーが約1.36億人という。Tik-TokはDSAによって超大型オンラインプラットフォーム(VLOP)と見なされ、DSAにおける一連の義務が課せられる。これに違反した場合は、親会社であるバイトダンスに対し全世界の売上高の6%分の罰金が科せられる。

TikTokの広報担当は今回の件について、「すでに青少年を守る機能や設定を施しており、13歳以下の子供は利用を禁止する」と答えている。またTikTokは声明で、「業界全体で解決に取り組む問題だ」とし、「専門家や業界と協力しながら青少年の安全性を確保し、こうした取り組みをEU側に詳しく説明する機会があることを望む」と報道されている。

TikTokはまた、EUだけでなくアメリカの地方政府の調査も受けている。アイオワ州の司法長官は今年1月、TikTokが親や子供に不適切なコンテンツを表示しているとし、これらの中止と罰金の支払いを命じた。アイオワ州は起訴状で、TikTokはコンテンツ面で保護者を欺いた上、アップルのアプリストアの規定に違反していると指摘した。これについては今なお調査が行われている。

(中国経済新聞)