中国の航空大手3社、23年は損失回復できず 

2024/02/3 15:30

これまでのところ、中国のA株上場航空会社7社のうち、2023年の業績予想では、3社が赤字から黒字に転換し、4社は赤字が続いている。春秋航空、吉祥航空、海南航空はなんとか赤字から黒字に転換。春秋航空は純損益24億〜24億元(約429億〜490億円)の黒字を見込んでおり、中国国内航空会社で最も黒字の航空会社となった。しかし、全体としては、中国国内の航空会社は2023年に依然として約171億元(約3,494億円)の損失を出すのではと予想されている。

上場航空会社のうち、中国南方航空、中国国際航空、中国東方航空は大きな損失を被り、唯一のローカル線専門の上場航空会社である華夏航空も、主に国際路線の回復の遅れと燃料費の高騰により、損失を回復できなかった。国際線は2019年の水準の37.5%までしか回復せず、その結果、一部のジャンボ機が中国国内市場に転用され、同市場での供給過剰と競争が激化した。加えて、原油価格の高騰と世界的なサプライチェーンの問題が航空会社のコストを上昇させた。

一方、一般客やビジネス客の旅行需要が低迷しているため、格安航空会社や高速鉄道を利用する乗客が増えている。データによると、中国国内線における春秋航空の搭乗率は90%以上に回復し、国鉄の乗客数は過去最高を記録した。

こうした課題にもかかわらず、中国民用航空局は2024年に向けて「業界全体の黒字化」という目標を掲げている。 この目標を支えるプラス要因としては、国際路線の継続的な回復、旅客需要のさらなる回復、世界的なサプライチェーンの緊張が挙げられる。また国際路線は2024年にはパンデミック前の80%の水準に戻ると予想されているほか、中国国内市場での過当競争を減らすために発注中の新型機の納入が遅れている。

その一方で、航空需要は2024年の春節シーズンの開始以降、予想を大幅に上回っている。そして、米ドルの利上げサイクルが終わりに近づき、原油価格の上昇や為替差損によるリスクが低下することから、コスト管理と洗練された経営は、業績の良い航空会社により多くの利益をもたらすとの予想もある。

(中国経済新聞)