TSMC、1nmプロセスに向けて準備 開発費用は4.7兆円超

2024/01/30 11:30

半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は去年末、IEEE国際電子デバイス会議(IEDM 2023)で、1.4nmプロセスでの製造に向けて本格的に開発を進めていると明らかにした。1.4nmについて初めての対外発表であり、プロセス名は「A14」で、具体的な規格や生産の時期には定かではない。

TSMCはまた、2nmのプロセスについては来年末から生産の予定で、1.4nmはおおむね2027年~2028年に開始と見られる。ただしUDNの最新報道によると、さらにその先である1nmについても、初の受託メーカーとなる手はずをしているという。半導体分野で競争が一段と激しく、見所のあるものとなる。

TSMC はまたIEDM 2023で、1nmはプロセス名「A10」として2030年以降に開始の見込みとも表明した。CoWoS、InFO、SoICなパッケージング技術が進歩していることから、2030年ごろには1兆トランジスタのチップの製造が実現するという。TSMCのメソッドはインテルと似ているが、問題なのはこの目標をどのように達成するかである。半導体業界はこのところ、収益率や生産体制について悩みを抱えている。

TSMCの1nmプロセスはかなりコストがかかり、開発費は総額320億ドル(約4.74兆円)以上になると見られる。これに向けて台湾南部の嘉義県に面積100ヘクタール以上のウェハー工場を新規建設する予定であり、この工場は半導体の製造とパッケージングについて、需要割合から敷地を60/40に分けるという。

プロセスが進歩するにつれて開発も難しくなり、費用もかさむが、TSMCは足取りを止めることはなく、1nmだけでなく2nmの工場も複数建設するものとみられる。

(中国経済新聞)