1月24日夜、中国の教育サービス大手の「新東方」が手がけるライブコマーススタジオ「東方甄選」は2024年度の中間決算(2023年6月1日~11月30日)を発表した。売上高は前年同期比34.4%増の27.95億元(約574億円)で、純利益は同57.4%減の2.49億元(約51.2億円)、調整後の利益(EBITDA)は同13.3%減の5.95億元(約122億円)となっている。
このような「売上増・利益減」という結果について、東方甄選は決算書で、「事業が大幅に拡大したことで自社商品の在庫費用や輸送コストが増えたことによるもの」と説明している。また、自社品の規模を拡大するため、ライブ配信事業でかなりの社員を採用し、販売やマーケティングに資金を投入した上、APPを開設したことで支出がかなり増大したという。自社商品やライブコマースにおける粗利率は、去年同期は42.5%だったが今期は32.9%に減り、この中で販売やマーケティングの支出額は前年同期比145.6%増の5.6億元(約115億円)、研究開発費は同56.5%増の7550万元(約15.5億円)となっている。
東方甄選はこの6か月間、タオバオやWechatアプリ、および自社アプリでライブを展開してきたが、GMVの大部分はTiktokによるものである。東方甄選のライブコマースのGMVは57億元(約1171億円)で、Tiktokの外部および自社の商品の決済済み注文件数は、前年度の7.02億件から1.06億件減って5.96億件であった。
自社商品の数量は2023年11月30日現在、264種以上あり、これによる売上高はおよそ19億元(約390億円)であった。自社商品およびライブコマースのスタッフ総数は1587人、このうちサプライチェーンや商品のスタッフが643人となっている。
東方甄選は今回の決算報告で、「Appには有料会員、ポイント還元制度、観光プラン、ライブスタジオといった機能が備わり、利用のしやすさや愛着感が極めて拡大し、買い物も便利になって、成長をもたらす貴重なエネルギー源と見なされている」と表明している。
東方甄選は1月25日、株価が11.93%値下がりして1株23.25香港ドル(1株約438香港ドル)となり、時価は236.3億香港ドル(約4454億円)となっている。
(中国経済新聞)