テンセント、1323億円をかけ北京で用地を取得

2024/01/25 17:30

1月23日,中国IT界の巨人・テンセント科技(北京)は、64.2億元(約1323億円)をかけて北京市海淀区学院路北側のA、B、C、Jの各土地区画を購入した。オフィスや金融サービス業で利用するという。面積はおよそ7万601.065平方メートル、延床面積は28万5523平方メートルで、平米当たりの地価はおよそ9.1万元(188万円)となる。北京でさらに多くのオフィスが必要となったことに伴う土地購入である。

テンセントは2023年9月末現在、深セン、北京、上海、広州などで計10.53万人の従業員がおり、北京には海淀区の本社ビルとオリンピック公園の亜洲金融大厦のほか、賃貸のオフィスビルが点在するなど、多数の事業を構えている。

今回テンセントが購入した区画は、2019年に紫光集団が「紫光全球智能科創総部」の建設用地として購入していたが、土地利用に伴う補償金を支払えなかったために返却となったものであり、購入価格は当時よりも2億元近く値下がりしている。

また、ゲーム業界もここ1年は同じように社員数の拡大によりより多くのスペースが必要となっている。その1つが、業界大手3社に数えられるmiHoYoである。

miHoYoは2023年10月、研究開発本部を建てるため、およそ11億元(約226.7億円)をかけて上海市徐匯区漕河涇の中心部の土地を購入した。

また、EC(電子商取引)大手の京東は2023年2月、北京市亦荘新城にある本社ビルの真正面で、商業用地と住宅地のある土地を末端価格31.12億元(約641.3億円)で手に入れた。

このほか最近は、大手フードデリバリーサービスの美団、スマホ大手のシャオミ、ショート動画アプリの快手などIT系の企業が、上海や広東省深センなどで土地を購入している。美団は2020年に、新社屋の建設に向けて65.41億元(約1348億円)で上海市楊浦区定海社区の区画を競り落とし、アプリ開発大手のバイトダンスは50億元(約1000億円)で北京にオフィスビルを購入、ファーウェイはデジタルエネルギーの拠点用として40億元(約824.3億円)で深セン市香蜜湖の年を購入、快手は28億元(約577億円)で北京のオフィスを購入した。シャオミもこのところ、北京、湖北省武漢、深センなどで物件を手に入れている。

このようなIT業における物件取得の動きについて、専門家の間では、「どうしても事業所が必要であること、また地価の上昇傾向が続いている一、二線都市で自社物件を構えれば、企業イメージがよくなり社内の管理も便利になる上、土地資産による収益も見込まれる」と見られている。こうした投資は急速な成長やよりよいオフィス環境を求めるIT業界の現状を示すものである。

(中国経済新聞)