ブルーカラーの収入上位3職種は育児ヘルパー、トラックの運転手、弁当配達

2024/01/25 14:30

1月23日、中国新就業形態研究センターは「2023中国ブルーカラー就業研究報告」を発表した。この中で示された「ブルーカラー」の定義を見ると、対象範囲は次第に広くなっており、製造業、建設業、従来型サービス業などの労働者だけでなく、デジタル経済の普及によりITプラットフォームで派生した新たな雇用形態の従業者も含まれている。報告によると、その規模は4億人に達しているという。

賃金を見ると、ブルーカラーは平均月収が年々増えており、2012年は2684元だったが2023年は6043元で、2.26倍に増えた。物価要因を除いた実質上昇分は10年前の1.85倍である。ホワイトカラーとの格差は縮小傾向にあるが、ブルーカラーは2019年以降、賃金の伸びが鈍くなっており、2023年は前年比ほぼ横ばいであった。

職種別に見た月収の上位3位は、育児ヘルパー、トラックの運転手、弁当配達で、それぞれ8824元(約18.2万円)、7641元(約15.7万円)、6803元(約14.0万円)となっている。

中国家庭サービス業協会副事務局長で、高級家事代行会社「唐頓世家」を立ち上げた陳哲氏は、「業界は常に人手不足だ。春節の大型連休を前に依頼件数が通常の20%以上増えており、連休中も働くとなると賃金は通常期の2倍となる」と述べている。

陳氏はまた、家事代行業の収入面について、多くの従業者が「貧困脱却」を果たしたと言う。アプリを見ると、育児ヘルパーの月収は8000元~15000元(約16.5万~30.9万円)で、家政婦は7000元前後(約14.4万円)である。ただ陳氏は、「景気の影響などによりここ1年は所得が減った職種もあり、住み込みのお手伝いがアルバイトになるケースもあって、収入も幾分減っている」とずばり指摘する。

地域によっての発展の度合いが違うことで収入にも格差が存在するが、新たな雇用形態が生じたことでブルーカラー全体の所得がある程度伸びている。弁当配達などは、三、四線都市でも収入面でかなりのレベルを維持している。

貴州省貴陽市昌明鎮で、デリバリーサービス「美団」の配達員をしている楊時琴さん(女性)は、勤務最初の1か月となった2023年8月に7000元(約14.4万円)以上を手に入れた。楊さんは、その前は町のエステで洗顔サービスをしていて、月収は多くて1200元(約24739円)だった。その前は海南省で工事現場に勤務していたという。

(中国経済新聞)