「2023年中国大陸集積回路産業人材需給報告」によると、2023年1~5月の集積回路(IC)投資案件数(上場会社を除く)は163件で、投資額は合計400億元(約8235億円)以上であった。この中で、チップの製造は4件のみだが、投資額は2022年同期の13.5倍である263億元(約5415億元)に達しており、そのうち261.3億元(5380億元)がウエハーの大手受託メーカー「華虹半導体」によるものである。
華虹半導体は2023年8月7日にハイテク企業として上場し、発行株価から計算した時価総額は892.27億元(1.837万億円)であった。同社の前身は「909工程」の担い手として1996年に100億元(2059億円)をかけて設立された華虹NECである。当時、中国のデジタル産業史上で最大かつ最も先進的な国家プロジェクトであり、チップの国内製造という夢を背負ったものだった。
世界半導体市場統計(WSTS)によると、2022年、全世界の半導体の市場規模は前年度より4.36%増えて5801億ドルであり、2023年は4.6%増の6620億ドルとなる見込みである。
中国は世界最大のチップ消費国であり、輸入額は2021年が前年比25.6%増で過去最高の4397億ドルであったが、その後は下り坂で、2022年は前年比5%減、2023年上半期は前年同期比で17%も減っている。これはつまり、世界的な消費力の落ち込みのほか、輸出規制の影響で国産品を使うという新たな時代がひそかに幕を開けていることを意味する。
中国は今、先進的なチップの製造へ投資や開発を進めている。中芯国際は、2019年後半から14ナノメーターFinFETの生産をしており、これをベースにして12ナノメーターや7ナノメーターなどさらに高機能なものを開発している。華虹半導体も28ナノメーターという先端品種の生産を果たしている。
2023年 中国のメーカー別に見たウエハー生産概況