東風納米、10万元(約200万円)クラスの小型EVを発表

2024/01/14 20:30

2023年、新エネルギー乗用車は引き続き好調であり、販売台数は前年比36.2%増の773.6万台で普及率は35.7%に達した。ただその一方、10万元(約200万円)以上のクラスでEVの売れ行きが伸び悩んでいる。新エネ車の成長を牽引しているのは、プラグインハイブリッド(PHEV)と10万元(約200万円)以下の小型EVである。BYDの「シーガル」や「ドルフィン」、五菱の「繽果(Bingo)」、「雲朶(Yunduo)」など6~10万元(約122万~200万円)の小型車が、EVの成長に大きく貢献している。

最近、国有自動車大手である東風汽車集団の子会社「東風納米(NAMMI)」も小型EV市場に殴り込みをかけた。初めての車種「納米01」が発売および納車を始めており、値段は7.48-10.48万元(約152万~213万円)である。東風納米は小型EVに特化したブランドで、「東風風神」、「東風eπ」とともに東風の新エネ車事業3品種の一つである。この事業の一翼を担うにあたり、2025年までに販売台数30万台以上との目標を掲げている。

10万元(約200万円)以下の小型EVに力を入れている会社は数多く、BYDや五菱は豊富な車種や広範囲な販売チャネルをバックに、シェアをごっそりとさらっている。月間販売台数を見ると、BYDのシーガルとドルフィンが8万台近く、五菱の繽果も3万台を超えている。

この中で納米01は、車内空間が広く連続走行距離は330/430kmのいずれか、充電は急速および普通の両方で、放電機能も備えているほか、360度モニター、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、オートパーキング、リモートパーキングといった機能も搭載しており、この価格帯としては異例の存在である。

東風乗用車販売の東風納米マーケティング事業部の陳萌総経理は、「現在、新興メーカーは値の張る車種を売り出す傾向にあり、高機能スペックを揃えた20万元(約400万円)以上のものが多い」と述べる。東風納米は逆に技術の平準化を目標としており、安めの小型車に様々な先進技術を搭載する形で利用者の期待に応えていくという。

(中国経済新聞)