2024年1月4日、中国のスマートフォン大手シャオミ・グループの雷軍会長は、100万ドル(約1.45億円)の年間技術大賞を発表した。
雷氏は、「2024年最初の大きな出来事は、エンジニアへの100万ドルの年間技術大賞贈呈だ。これは大きな技術革新事業で重要な成果を上げた10人以内のメンバーに贈るもので、社内で最高の賞だ」と述べた。
今回は、「Xiaomi Hyper OS構成」と「統合ダイカスト技術」の両スタッフにそれぞれ100万ドルを贈呈したという。雷氏は、「人・車・家」というトータルエコロジーのサイクル形成に重要な貢献を果たしたと述べている。
「統合ダイカスト技術」については、2023年12月28日の自動車の技術発表会で、初めて雷氏が公開説明している。「ダイカストのレベルは9100tに達し、テスラの上海ギガファクトリーを超えた。テスラはついこの間、アメリカで9000tを完成させた。シャオミは自社で一連のダイカスト総合設備を整え、チタン合金を開発した。中国でただ一つ、自社開発合金を使った自動車工場を所有することになった」と述べている。
また雷氏は2023年10月26日に、Xiaomi Hyper OSと、自社の取り組みとして「携帯電話×AIoT」から「人・車・家のトータルエコロジー」への格上げを宣言している。この場でXiaomi HyperOSの正式版パッケージ完了が発表され、雷氏は「人・車・家のトータルエコロジー」に突き進む画期的なものだと語った。シャオミ14シリーズは初めてこのOSを搭載した機種となり、すでに工場で生産開始している。今後はMIUIに変わりXiaomi Hyper OSが普及していく。
Counterpointの上級アナリストであるIvan lam氏は、「Hyper OSはファーウェイのハーモニーをターゲットにしたものと見る人が多いが、この2つは目的は似ているが作り方が違う」と述べる。シャオミは主に、アンドロイドをベースにレイヤーを書き換えて、ビルトインシステムで互換性を加えている。本質のコア部分は不変だが、レイヤーを換えているので、他の商品とシステムマッチングやシステム間接続をした際に一段とスムーズになるという。
つまりシャオミは、自社のエコロジーを整備する必要があり、このOSが必須のものとなる。シャオミが次に手掛けるのは車であり、車とマシン、人とマシン、人同士のやり取りという具合に、実際の使い心地と深く関わる。よって再構築したOSは、自社製品の扱いやすさ向上といった点で大きな意味を持つ。
(中国経済新聞)