中国のEC(電子商取引)大手「京東」のアカウント「京東黒板報」は12月29日、浙江天猫網絡、浙江天猫技術、アリババホールディングスがマーケット上の地位を利用して「二者択一」という独占行為を働いたことで京東に金銭的被害をもたらし、北京市高等人民裁判所により賠償金10億元(約200億円)を京東に支払うよう命じられたと発表した。
この「二者択一」について、対象となるのは消費者ではなくサイト内の販売元であり、販売会社が参入する際に「二者択一」を迫られる、ということである。サイト側は独占販売契約を利用し、販売会社に対し自社サイト以外での営業や活動を禁止し、これに違反した場合は処罰の対象としている。
京東が発表したコメントは以下の通りである。
アリババの「二者択一」行為の実施について
一審勝訴の声明
12月29日、北京市高等人民裁判所は、浙江天猫網絡、浙江天猫技術、アリババホールディングスによる「二者択一」行為に対する弊社からの訴訟について、「マーケットの支配的な地位を乱用して独占行為である『二者択一』を行い、京東に深刻な損害を与えた。京東に対し賠償金10億元(約200億円)を支払うよう命じる」との判決を下した。裁判所の公正な判決に感謝し、権益を守り公平や正義を追求した弊社を支持してくれた各関係先に感謝する。
今回の判決は、「二者択一」行為に反対する弊社への公正な裁決であったほか、マーケットの公平な競争秩序の法的維持という見本となるものであり、中国の独占禁止法取り締まりにおける特筆すべき判決となる。
公平な競争は市場経済の核心であり、「二者択一」といった独占行為は市場競争を妨げ、メーカーや販売店、消費者の合法的権益を損ねるほか、マーケットのイノベーションや活力を締め付ける。弊社はこれに対抗して2017年から訴訟を起こしており、2023年に購買や販売について「大物インフルエンサー価格独占」という暗黙の了解を崩した。弊社は常にメーカーや販売店を成長させ、消費者向けに安値を求めている。今回の判決は、ビジネス成功への信念をかたくなに守る弊社にとって大変な励みとなるものであり、われわれはゆるぎない決心で実体経済の質の高い成長を支えていく。
京東集団
2023年12月29日
この件についてアリババは、「情報は耳にしており、裁判所の判決結果を尊重する」と表明している。
(中国経済新聞)