ハイアール、2483億円で「血液王」を配下に 血液製品会社へのメリットは?

2024/01/2 08:30

中国の電機メーカーでグローバル企業グループの「ハイアール」が2023年末に、中国で「血液王」と呼ばれる「上海RAASブラッド・プロダクツ」(上海莱士)を買収した。これによりハイアールは、医療関連の上場会社を配下に3社抱えることになる。

ハイアールは12月29日の夜、スペインにある血液製剤の世界大手「グリフォルス」(マドリード、米ナスダックで上場)が保有する上海RAASの株式20%を125億元(約2483億円)で買収し、計26.58%の議決権を獲得すると発表した。

また上海RAASは29日夜、この取引によりハイアールが株主で実質的支配者となり、グリフォルスは引き続き上海RAASの株式6.58%を保有し、取締役会の座も維持すると発表した。上海RAASの株譲渡価格は、買収契約締結日の前の営業日終わり値の90%以上となる1株9.405元(約187円)である。この取引は双方の取締役会も同意しており、当局側の認可を経て2024年前半に実施の見込みである。

また同じく12月29日、グリフォルスと上海RAASは、アルブミンの独占販売契約を今後10年間延長し、その上で商標権を10年間延長するという長期パートナー契約を結んだ。さらに、他の血液製品に関しても提携する。グリフォルスまたはその関係先が、バイオサイエンスや診断に関するグリフォルスの血液製品を中国でPRしたり販売したりする際は、上海RAASに対して優先的に見積もりをさせる必要がある。

(中国経済新聞)