雲南省大理市の観光当局によると、12月25日、2023年放映の人気のテレビドラマ「風の吹く場所へ」に対して大理州文化観光局が補助金200万元(約4000万円)を支給すると発表した。
このドラマが放映されてから、ロケ地の一つであった人気の観光地である大理がさらにスポットを浴び、年明け早々盛大な盛り上がりを見せ、映像IPと観光面で「両手に花」を実現したという。
ドラマでは、沙渓古鎮、喜洲古鎮、海舌公園、洱海生態廊道、大理古城などの素晴らしい光景が入念に映像に収められたほか、鳳陽邑村も人気を集めた。また刺繍、木彫り、染色など無形文化遺産や民族衣装、ご当地の味覚など生活にちなんだものもお目見えし、大理の観光産業全体に活気をもたらした。大理がお茶の間から様々な角度で見られ、愛されるようになったのである。
また、州の感謝状や省長メッセージなどに続き、雲南省政府も改めて現地の観光を刺激したこのTVドラマを表彰した。
「風の吹く場所へ」は「スロー」を基調とし、故郷で村おこしのために起業、都会を離れた自分探しなど、様々な次元から今の若者たちの自らの実現や自由な気持ちへの見解を表現している。
番組が放映されて、知られざる山のふもとの村だった鳳陽邑がたちまち視野に収められ、蒼山や洱海に次ぐ新たな大理の観光名所になったという。友人とともに四川省の成都から高速鉄道で訪れたという李慧さんは、「ドラマは毎回欠かさず見た。田舎暮らしにはまってしまった」と言う。
劉官廠村に駐在する陳琴第一書記は「ドラマが始まってから、それまで1日100人以下だった村への観光客が春節休みには10000人近くに増えた」と言う。村おこしと映像産業がつながり、村の観光業が急成長し、周辺の村民の雇用や起業も新たに生まれた。同じくロケ地であった剣川県沙渓古鎮も、春節休み中の来訪者数が前年比237.02%増しだったという。県の文化観光局の楊婷副局長は、「沙渓は以前からある程度有名ではあったが、『風の吹く場所へ』が始まってから知名度や人気が一層高まった」と言う。剣川の観光市場に「風が吹いた」わけである。
(中国経済新聞)