12月18日、海南自由貿易港(以下、海南FTP)の全島封関運営が正式に開始された。これにより、海南島は中国本土から独立した税関特殊区域となり、世界最高レベルの開放を目指す「境内関外」モデルが本格稼働する。
「海南封関」とは、海南島全域を独立した税関管理特殊区域として位置づけ、ゼロ関税政策や貿易自由化を本格的に施行する制度を指す。これにより、海南は「一線開放、二線管理、島内自由」の原則の下、世界的な自由貿易ハブとして再生する。背景には、習近平国家主席が推進する「双循環」戦略があり、国内市場の活性化と国際開放の両立を目指す。
封関の背景と意義
海南自由貿易港の建設は、2018年の国務院の「海南自由貿易港建設全体計画」公布に遡る。当初は2020年頃の試験運用から始まり、2025年12月18日の封関が最終段階だ。この日、海南島は中国本土から「封鎖」され、独立した関税区として機能開始。従来の保税区(例:洋浦保税港区)を超え、全島規模で税関監督を適用する点が画期的だ。
意義は多岐にわたる。まず、貿易構造の変革だ。中国の対外貿易額は世界最大級だが、国内消費の回復が課題。封関は海南を「内需ツール」として位置づけ、輸入品の低コスト流通を促進する。 また、国際投資誘致の観点では、シンガポールや香港に匹敵する「第二の香港」として期待される。過去5年間、海南の対内投資は1025億元(約2兆500億円)に達し、外資系企業数は年間43・7%増と急伸した。 しかし、X上の議論では、「投資機会は大きいが、規制透明性の確保が鍵」との懐疑論も見られる。
