EVメーカーの威馬汽車、破産を申告

2023/10/13 14:30

10月9日、中国の新興電気自動車(EV)メーカー「威馬汽車科技集団」(WMモーター)は、自社を申請人として破産申告をした。総額1億元以上(20億円以上)に及ぶ21件の執行案件も伝わっていた。

中国のEVメーカーとして最も初期に量産化を果たした威馬汽車は、蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xiaopeng)と合わせて「新勢力3強」などとも言われた。この3社の中で、2019年の納入台数は蔚来汽車の2.06万台に次ぐ2位の1.69万台であった。また威馬の「EX-5」は単独車種として何か月も連続で販売台数トップを維持していた。

しかしその後は失速し、売上もさほど伸びず他の「新勢力」に水をあけられていった。さらに過大な投資もあり、2022年後半から賃金削減、生産停止、本社ビルの家賃未納、ディーラー店の大規模な閉店といった暗い情報が次々と伝わった。

中国乗用車連合会によると、威馬汽車の納入台数は2022年が3万台以下、今年はゼロとなっている。

9月11日に、アメリカで上場し中古車販売事業を手掛ける「開心汽車」は、一定数量の新株を発行し威馬汽車の株主の持有する株式を全量購入するとの内容を示した非強制的な買収意向書を威馬汽車と取り交わしたと正式発表した。開心汽車はこの策について、浙江省温州と湖北省黄岡の2か所にインダストリー4.0レベルの製造拠点を擁している威馬汽車の実力や生産体制を高く買ったものであると発表していた。

この提携は業界内で「弱者のコンビ」などと言われ、成果が注目されていたが、あえなくその1か月後に威馬汽車が破産手続きをするに至ってしまった。

(中国経済新聞)