6Gに関する中国の将来性探索と開発の成果

2023/10/7 08:30

5Gが世界的に実用化されつつある現在、通信事業で6Gへの探索や開発が急速に進んでいる。世界最大のモバイル通信市場で製造大国である中国は、こうした動きを十分に注視し、積極的に研究活動に取り組んでいる。

中国通信標準化協会は、6Gに関するシンポジウムで、6Gの将来性探索や開発について一連の新たな成果を発表した。

この中で、最新の研究成果として以下の8項目が披露されている。

1.分散型自律ネットワーク

ネットワーク機能を複数のノードに分散することで、ネットワークの自律や分散化を果たすものである。このような仕組みは柔軟性や拡張性に優れているので、ネットワークの信頼性やセキュリティーが向上する。

6Gの時代ではIOT設備が急激に増えていくので、こうした分散型自律ネットワークは大規模でスピーディー、安全な通信網を築く上で重要な手段となる。

2.可視光通信

可視光を使った通信方法であり、高速で遅延が少なく妨害に強いといった特長がある。従来の無線通信に比べてスペクトルの利用に優れ、エネルギーロスが少ないので、これからの大規模なデータ通信に適している。

3.ホログラフィック通信

ホログラフィーの映像や仮想現実を使うことで、人と人との通信に至るものである。また一段とリアルでディープな通信を味わうことができ、人間の新たな交流手段となる。6Gの時代で、通信技術を一段とスマートかつ気配りのあるものにしていくだろう。

4.異種ネットワーク接続

タイプの異なるネットワークを接続することで、ネットワーク資源の共有化や最適化を果たすものである。ネットワークの範囲や伝送速度を引き上げ、より安定し効率的な通信サービスを提供する。

5.エッジコンピューティングとAI

エッジコンピューティングとは、コンピューティングとデータストレージをネットワークの端に据え、遅延を減らし帯域幅を広げた通信を実現するものである。またAIは、通信ネットワークのスマート化管理や最適化をもたらすほか、ネットワークの性能や効率も引き上げる。

6.セキュリティーとプライバシー保護

通信技術が向上するにつれて、ネットワークにおけるユーザーのプライバシー保護が難しくなってくる。よってセキュリティーやプライバシーを保護する技術の開発が重要なタスクになっている。

7.ネットワークのスマート化と自動化

通信網が大規模かつ複雑なものになって、これまでの人手での管理やメンテナンスでは対応できなくなっているので、6Gの時代ではネットワークのスマート化や自動化技術の開発が重要なタスクになっている。これらの実現で、ネットワークの性能も効率も向上することになる。

8.ネットワーク資源の最適化とエネルギー効率

通信網の規模や負荷が増大し、ネットワーク資源の最適化やエネルギーの節約を図らなければならず、こうした取り組みも6Gの時代では重要なタスクとなる。これらの技術でネットワーク資源が適切に分散してエネルギーの有効利用が実現し、ネットワークの性能や効率もアップする。

(中国経済新聞)