中国国家統計局が発表した「2022年全国科学技術経費投入統計公報」を見ると、2022年、R&Dへの投入経費増加分のうち、企業によるものが前年より4.6ポイント増えて84.0%であり、最大の増加要因となった。また全国のR&D経費に占める割合は、同じく0.7ポイント増えて77.6%であった。

中国初の国際イノベーションセンターとなった上海は、研究開発について費用も強度も上位であり、2022年はR&Dの投入額が1981.6億元（約4.06兆円）、またその強度は4.44%であった。また、今年発表された市の科学技術賞のうち、全受賞数の60%にあたる182件が、企業がリーダーもしくは提携先となったものだった。

上海は、テクノロジー会社により成長を果たしており、今年1月に市の科学委員会が発表した「2022上海科学技術進歩報告」によると、社会全体のR&Dにおける企業の占める割合が65%以上であった。市内には、専門化、精細化、特色化、斬新化という特徴を備えた中小企業の「専精特新企業」が7572社、またその中でも特に優れ、細分化された市場に集中的に取り組み、イノベーション能力と市場シェアが高く、キーとなるコア技術を確立し、質も効率も優れたリーディング企業の「小巨人企業」が500社存在し、いずれも9割以上が民間企業である。また2.2万社以上のハイテク事業者のうち8割が民間企業である。中国全国工商連が発表した「2022民間企業発明特許500社」の中で、上海からは4つの直轄市で最も多い19社が選ばれている。

今年上海市が発表した「製造業の質の高い発展を進める3年間行動計画（2023-2025年）」によると、2025年までにイノベーション型の中小企業を10万社、地場の「専精特新企業」を1万社、国家級の「小巨人」企業を1000社とし、製造業で単独トップの企業および製品の数を50件とする、との目標が掲げられている。

（中国経済新聞）