中国企業の傅利葉智能(Fourier Intelligence)は26 日、GR-1という人型ロボットの前売りを始めたと発表した。身長1.65メートル、体重およそ 55 キロで、体つきが人によく似ている上に、人と同じ動作制御機能を備えている。自社開発の一体化アクチュエータFSAが搭載されて全身44か所の関節で機能し、最大関節トルクは230N.mである。
GR-1は、不安定でサポートがなく強い妨害を受けた状態でも、早歩き(5km/h以上)や後ずさり、歩行・ストップ、その場での横向き、腰振りや振り返り、小走り、障害物の回避や乗り越え、坂道歩行が可能である。
用途として、技術教育、AIの具現化、舞台の催し、リハビリ、防犯パトロール、来客接待などで利用される。またSDKをオープン化して二次開発対応で機能を拡大できるほか、APPとの対話も可能である。
この数日前には、同じく人型ロボットであるテスラ製のOptimusが「エンド・ツー・エンド」にアップデートしている。「完全なエンド・ツー・エンド」という神経網訓練により、映像信号のインプットやアウトプット制御が可能となった。ビデオでは、視覚でオブジェクトを定めて色を仕分けしたり、片足立ちでバランスを維持したりする姿を披露しており、認識、大脳、動作、制御といった面で十分な見所がある。
また一方、大規模言語モデルのロボットへの導入も始まっている。グーグルは、3月に ロボットでの利用が可能なマルチモーダル視覚言語モデル(VLM)PaLM-Eを発表し、さらに7月にはロボット専用の視覚 – 言語 – アクション(VLA)という次世代型モデルRobotics Transformer 2(RT-2)を発表した。
メーカーによる産業化の動きが進む中で、「AIの具現化」という傾向が一般化しつつある。
中信証券は、エンド・ツー・エンドの学習メカニズムが整い、アルゴリズム拡大能力も高まり、また収集可能なデータが増え続けていることから、データの急速な変化が進む中でロボットの認識や応対、実行力が質的向上を果たせるものと見ている。また、制御面でハードウェアの大規模な生産拡大や実用化への開発が進むにつれて、人型ロボットが実際に利用されるようになる日も近いという。
また浙商証券は、人型ロボットについて、2030年には需要数量がおよそ 177 万台で全世界のマーケットが1692億元となり、2023-2030 年のCAGRは 25%となると見ている。当面(3-5 年)はまず産業用として利用され、その後(5-10 年後)は個人での利用も伸びそうである。
人型ロボットは具体的な目標の実行といった面で、アナリストは産業化を十分に有望視しており、主要部品の大手メーカーがスポットを浴びそうである。
(中国経済新聞)