中国でマネーロンダリング摘発 捜査のきっかけは低所得者による計6億円の現金引き出し

2023/08/27 14:00

陝西省西安市の公安局高新支部は8月24日、総額5.03億元(約100億円)にのぼる大規模なマネーロンダリングを摘発し、容疑者10人を逮捕した。複数の職業不定の低所得者が複数回に分けて平均3000万元(約6億円)以上を銀行から引き出していたことから、銀行側で怪しまれていた。

西安市公安局高新支部の捜査グループは今年の4月初め、銀行から「大量に現金を引き出すものがおり、犯罪がらみではないか」との報告を受けた。警察が直ちに中国人民銀行西安支店のマネーロンダリング対策部門に担当者を派遣し、捜査にあたらせた。

2か月余りに及ぶ綿密な捜査の末、存在のはっきりした違法決済専門の犯罪グループが浮かび上がった。この中で、廬容疑者と魏容疑者が闇のカジノを3か所設け、2022年1月に西安出身で25歳の張容疑者がその金を目当てにこの2人に連絡を取り、複数人でPOSを利用して金を集め、架空の取引を通じて現金を回収し、そのうち3‰以上をマージンとして受け取った。警察の調査の結果、このグループが決済で獲得した現金は5.03億元(約100億円)で、200万元(約4000万円)以上の利益を得ていたという。

張容疑者など容疑者8人は現在、資金洗浄罪で西安市雁塔区人民検察庁に逮捕され、廬、魏の両容疑者はカジノ開設罪で逮捕された。この事件はさらに調査が進められている。

(中国経済新聞)