2023年8月22日、中国外務省の孫衛東次官は、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出を8月24日から始めるという日本政府の決定に対し、現地駐在の垂秀夫大使を呼んで抗議した。
孫次官は、「日本政府は、国際社会の強い批判や反対を無視して福島原発の処理水の海洋放出を間もなく始めると発表した。こうした行為は、放射能汚染の危険性を中国も含めた周辺国や国際社会に公然と押し付けるもので、地域や世界各国の国民の長期的な福祉より自分の利益を優先し、極めて身勝手で無責任だ。中国は深刻な懸念をし、強く反対する」と述べた。
孫次官は、「福島原発の事故は世界でこれまでに発生した中で最も重大な原発事故の一つで、大量の放射性物質が流れ出し、海洋環境、食の安全、人類の健康に深い影響を及ぼした。海は全人類が頼りとする青い故郷であり、日本のみだりな汚染水放出は許さない。強行実施すると、間違いなく世界の海洋環境や全人類の健康を賭けに出すことになる。日本に対し、誤った決定を撤回し、汚染水の排出計画を中止し、真摯な態度で周辺隣国と意思を疎通させ、責任ある形で処置し、世界の海洋環境に対する予測できない損害や危害を避けるよう強く促す。仮に強行実施したら、中国政府は必要な措置を講じ、海洋環境、食の安全、国民の健康を断固として守る」と強調した。
なお、香港政府環境・生態局の謝展寰局長は8月22日、8月24日から東京、福島、千葉、栃木、茨城、群馬、宮城、新潟、長野、埼玉の10都県の水産物の輸入を禁止すると発表した。対象となるのは生もの、冷凍、冷蔵、乾燥物、保存された水産物、海塩、生または加工された海藻である。
(中国経済新聞)