江蘇省南京にある「福特電馬赫科技」(フォードマスタングマッハ)と、長安福特汽車(長安フォード)は8月1日、フォードの中国での事業転換および業務調整に応じてEVの「フォードマスタング」を引き受けると発表した。
これによると、長安フォードは新エネ車の販売地域である70の都市で計300近いディーラー店でマスタングの販売を始めるという。販売店の数はこれまでの4倍近くに増え、今回の両社一本化により中国でマスタングの生産・販売事業が統合することになる。
フォードマスタングマッハは、フォードのマスタング事業部とフォード南京開発センターの一部の部署を前身として2020年4月に発足し、中国でのフォードのEV事業を手掛けている。企業情報サイトの企査査によると、資本金は6.65億ドル(約951億円)で、出資率はフォード中国が81.2%、南京江寧経開産業発展が18.8%となっている。
2021年4月に発売されたフォードマスタング「Mach-E」は、月間販売台数が数百台程度にとどまっている。乗用車連合会によると、フォードマスタングは今年6月は生産台数がゼロ、販売もわずか77台で、1~6月の販売台数は前年同期を84.6%も下回る268台である。
フォードマスタングは以前、中国に50店以上のディーラーを持ち、各店舗に5-6人の従業員がいたが、今年3月から離職者が相次ぎ、店の数が30店程度に減った上、従業員数2-3人という店も増えている。販売不振でインセンティブが出ず、大都市の店では大量の離職者が出ている。
フォード中国の社員によると、マスタングの巻き返しに向けて販売チャネルと営業関連のメンバーを長安フォードの帰属とするように長安フォードおよび長安汽車と交渉を始めたが、長安フォードはすべての人員の受け入れを拒否している。
今回のフォードの措置は、マスタングの支援に向け、長安汽車の新エネ車技術を生かして商品開発を目指すものである。
(中国経済新聞)