リサーチ会社のIDCが7月27日に発表した中国のスマートフォンに関する報告によると、第二四半期の出荷台数は前年比2.1%減のおよそ6570万台であった。上半期全体ではおよそ1.3億台で7.4%減であったことから、落ち込み幅は縮小している。
ただ、需要についてはまだ回復していない。IDCによると、大型の通販セール「618」の期間中はメーカーと通販サイトの両方が大幅な値引きをしたにもかかわらず、売上高は前年比で5%以上のマイナスとなり、需要は依然伸び悩んでいる。このためメーカーやサプライチェーンの川上側での出荷量もさほどの改善に至っていないとIDCは見ている。
2023年第二四半期のスマホのシェアで、メーカー別でトップに立ったのはOPPOで17.7%であった。IDCによると、傘下ブランドの「一加」(OnePlus)が前年比3桁の成長を維持したことでシェアも拡大し、OPPO全体の成長を支えたという。
2位はvivoで17.2%、3位は「栄耀」で16.4%、4位はアップルで15.3%であった。ともに大手のシャオミとファーウェイは順に13.1%、13%でほぼ拮抗の5位となっている。
IDC中国の上級アナリストである郭天翔氏によると、スマホ市場は第四四半期には回復傾向に向かうが、その伸び具合はこれまでの予想ほどでもなく、中国のスマホ市場はまだ不確定要素が多分にあると見ている。
郭氏は、「下半期の新商品開発計画を観察すると、アップルもアンドロイドも、決定的な新商品は出そうにない。メーカー同士で商品が似通ってしまっているので、外観の差別化や値引きの幅、撮影やビデオ効果が商品選びの決め手になるのではないか」と述べている。
(中国経済新聞)