4月29日、中国最高の民族歌舞団と言われていた「雲南映像」が解散すると発表された。
「雲南映像」を結成した舞踏家の楊麗萍さんは、50年に及ぶ舞台生活について、ブログで18分間にわたるビデオを発表した。この中で楊さんは、コロナの影響で2003年から続けてきたステージの場を失った、と涙ながらに発表した。「まるまる2年間、2年あまり、ずっと頑張ってきたけれど……やめたくなかったし、もっと大変な人はいっぱいいる。多くのものを失い、中には命を落とした人も」と語った。しかし解散の決定はやむをえないとし、「コロナはあまりにも残酷だった……ステージがなければ生き残るすべがない。よって、解散することになった。この19年間、7000回以上も舞台に立ったけれど、やはり解散する」と述べている。
楊さんは、「20年前に夢を抱いて田舎から出て来たが、皆さんとお別れすることになった」と、とてもつらそうな気持ちを示した。
原生態の大型歌舞劇である「雲南映像」は、楊さんがディレクターを務め、演出を手掛けた名作であり、ありのままの風土の歌曲と民族舞踊を溶け込ませ、雲南省独特の趣を作り上げたもので、伝統と近代的な力を兼ね備えた大作である。19年間で7000回以上もステージに立ち、雲南省に対する想いやイメージが多くの観客にしみこんでしまっている。
このほかまた、14年間活動を続けた近代舞踏団の「陶身体」も、メンバーへの報酬など運営費を賄えないとして、4月29日に解散を宣言した。
「陶身体」はこれまでに40か国以上で公演しており、中でも「数位シリーズ」は古代ローマの闘技場コロセウムやパリのファッションショー、芸術科学博物館など様々な異色の空間で披露されるなど、中国の近代舞踏を世界に見せつけてきた。
中国興行協会が4月27日に発表した2021年の上演や興行に関する報告によると、市場規模は335.85億元で、コロナ前の2019年に比べて41.31%落ち込んでいる。また今年の第一四半期の上演について、回数は前年同期比で25%以上、売上高は同じく35%以上のダウンとなっている。
この業界はオミクロンの拡大を受け、2020年以降で最も深刻な状態である。コロナが根付いてしまった今、ステージの中止や資金不足など、非常に厳しい課題を突き付けられている。
(中国経済新聞)