イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業 SpaceX社に先駆け、中国のベンチャー企業「ランドスペース」が液体酸素・メタンロケットの軌道投入に成功

2023/07/12 20:30

中国のベンチャー企業「ランドスペース(Land Space、藍箭航天)」は同社が独自に開発した「朱雀二号(液体酸素・メタンロケット)」を7月12日午前9時、ゴビ砂漠にある中国の酒泉衛星発射センターから打ち上げた。

世界初となる液体メタンと液体酸素を推進剤に使ったロケット「朱雀二号」の軌道投入成功は、中国のロケットに低コストの液体推進剤を適用する上で大きなブレークスルーとなった。

ランドスペースは「今回の試験飛行は主に、計画の全過程におけるキャリアロケットの発射試験と飛行の正確さ、合理性、各システムのインターフェースの整合性を評価し、その後の正式な商業宇宙飛行ロケットの基礎を築き、ロケットの信頼性と安全性のためのサンプルを蓄積するためだ」と述べた。また同社は、低コスト、高性能、大容量のロケットを市場に提供するため、引き続きロケットの性能向上に向け尽力するとしている。

ランドスペースは、2015年に中国初のロケット研究開発に従事するベンチャー企業として誕生。2018年10月には、中国初となる民間ロケットの打ち上げを行ったが失敗に終わった。それ以降、同社は液体酸素・メタンを推進剤に使ったロケットの開発に注力しており、その動向が注目されてきた中での今回成功となった。

(中国経済新聞)