6月19日に発表された「2023胡潤中国新エネ車産業集結度地域ランキング」によると、トップ3は広東省深セン、上海、江蘇省蘇州で、北京と江蘇省常州が4位に並び、6位以下は広東省広州、湖北省武漢、四川省成都、天津、安徽省合肥の順となっている。
この中で、深センと上海が他を大きくリードしている。これについて、胡潤百富の会長兼最高調査官である胡潤氏は、地域として力を十分備えていること、また主要企業が存在していることを理由に挙げている。「深センにはBYDが、上海にはテスラがある。新エネ車は産業チェーン全体で数多くの企業につながりのある体系的製品なので、テスラやBYDなどの地域貢献度は単なる生産台数とは大きく異なる」と述べている。
また、ベスト10で唯一の二線都市である常州は、去年よりランクを一つ挙げて4位となった。常州は優良企業の集結度、中小企業の集結度、新エネ車への投資額については連続で中国トップとなっている。
その常州で6月19日、2023世界新エネ車博覧会が行われ、この場で市委書記の陳金虎氏が「今年、常州の新エネ車産業規模は6500億元(約12.9兆円)を超え、生産台数は70万台を超えるだろう。2022年は産業規模が5100億元(約10.1兆円)、生産台数は34万台だった」と述べた。
常州の新エネ車産業は現在、産業チェーン全体をカバーする仕組みがほぼ形成されている。完成車や車載電池の生産・販売量はともに江蘇省全体の半分を占め、世界の新エネ車のうち10台に1台が「常州製」の電池を搭載している。陳氏は、「常州は今、新エネ車産業チェーンの『一等地』、新エネ車技術戦略の『重要地』になりつつあり、さらには実用化に向けて取り組む『主要地』になるよう努めている」と述べた。様々な場での新エネ車の利用拡大を目指し、空気エネルギー貯蔵や揚水蓄電、「風力・太陽光併設」発電所を建設し、蓄電や水素など新規の分野に取り組んで、「常州水素湾」の形成を始めている。
(中国経済新聞)