中国の通販大手「京東」は6月18日午前、新たにCEOに就任した許冉(Xu Ran)氏が、過去20年間の歩みを総括し、今後20年間における「35711」という新しい目標を示したメールを全社員に送信した。目標として、売上高1兆元(約20兆円)以上、純利益700億元(約1.4兆円)の会社を3社設け、5社をフォーチュングローバル500にランクインさせ、時価1000億元(約2兆円)を上回る新規上場会社を7社設け、納税額を1000億元(約2兆円)とし、100万人以上の雇用を創出する、と掲げている。
許氏はまたメールで、この「35711目標」は社会に大きな価値をもたらすとも示した。向こう20年間で、現場で働く100万人の賃金や福利へ合計3兆元(約59兆円)を投入し、農村の振興を目指す「富への計画」で1億人以上の農家の収入を増やし、中小零細企業6000万社と手を組んでデジタル化を果たすほか、80%の国や地域でサプライチェーンを形成するなど世界をほぼトータルカバーし、2043年までに脱炭素化を果たすとしている。
投資面について許氏は、「住宅保障基金」や「社員支援基金」など国の基準を上回る福利厚生に20年間で500億元近く(約1兆円)をかけ、さらに60億元(約1195億円)余りを計上する「京東青年城」もすでに着工済みと表明した。過去6年間では、従来の製造業の成長を着実に支援するため1000億元(約2兆円)以上をつぎ込んだという。そして3年前にスタートした「富への計画」も、農村部で1兆元(約20兆円)以上の生産額を生み出すという目標を今月に前倒し達成した。
京東は5月11日に、CFOであった許氏がCEOに昇格し、取締役会および会長の劉強東氏の直属として各事業の日常運営や調整業務を担当すると発表していた。許氏は2018年7月に入社し、これまで小売り担当子会社の財務責任者や京東のCFOなどを歴任していた。
(中国経済新聞)