蔚来、第一四半期は損失額が2.6倍に

2023/06/13 18:18

中国の新エネ車メーカー「蔚来」(NIO)は6 月 9 日、第一四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比7.7%増、前期比33.5%減の106.765 億元(約2088億円)で、損失額は前年同期比165.9%増の47.395 億元(約927億円)であった。また研究開発費は同74.6% 増の30.756 億元(約602億円)となっている。

また、2023年3月31日時点での現金および同等物の額は前年比25.77%減の147.63億元(約2887億円)であった。第一四半期の粗利率は、ラインナップの変動や電池コストの増大を受け1.5%に下がった。

蔚来は第一四半期、納入台数が3.1万台で、2022年第一四半期より20.5%増えた。内訳は高級EVのSUVが1.04万台、同じく高級EVのセダンが2.06万台となっている。

第二四半期の納入台数については、前年同期比およそ0.2%~8.2%減の2.3万~2.5万台との予想である。内訳は4~5月の合計が1.28万台で、6月には1万台レベルに回復する見通しである。

すでに発表済みの各新エネ車メーカーの第一四半期決算を見ると、「理想汽車」(Li Auto)は2期連続で黒字となった上に販売も大幅に伸ばしたが、「零跑」(Leap Motor)と「小鵬」(Xiaopeng)は販売、収益ともに悪化し、蔚来は台数増を維持したものの理想汽車ほどの伸びはなかった。

蔚来の李斌CEOは電話による決算発表会で、今年の自動車市場は競争が激しいと何度も口にした。「最近の市場は変化が大きく競争もさらに激化し、ET7、ES7、ET5が思うように売れていない。今年は権益の保護や補助金の廃止により、平均で実質2万元(約39円)値が上がった。競争がさらに激しくなって対象客が他社に奪われている」と述べた。ただし、スペックを落としての価格調整はしないと強調している。

(中国経済新聞)