広東省、子供の多い世帯向けの住宅支援策を実施

2023/06/10 08:30

広東省衛生健康委員会は6月7日、「出産支援策のさらなる整備と実行に関する実施意見」を発表した。夫婦が子供を3人もうけられる措置や一連の支援策を適度に実施して、出産・子育てを促進し女性や子供の健康サービスを広めるなど、子供を生みやすい省にしていく。この中で、転入者や若い世代などの住まいの問題に対し、住宅を確保する仕組みを整える策が打ち出されている。

広東省はこれまで、強い経済力をバックに転入者の数が非常に多かった。第7回国勢調査によると、省外からの転入者数が地域別でダントツの2962.21万人であり、これにより「人口ランキングトップ」に立っている。2022年末の常住人口は1億2656.8万人で、2007年から16年連続で1位である。

しかしその勢いが、中国全体の人口減という傾向に逆らえなくなっている。

広東省の年ごとの人口増加数を見ると、2021年は60万人増にとどまり、増加率は0.48%と2010年以降で初めて1%を切った。さらに2022年はマイナス27.2万人、率にして-0.21%という異例の人口減に陥ってしまった。

さらには、中国で唯一出生者数が3年連続100万人以上を記録していた自然増にストップがかかった。

学術界の見方では、人口はひとたび減少すれば長らく続いてしまうという。よって、他地域からの人口流入を招いて短絡的に増加を維持していく取り組みが大事になる。今回の広東省の出産支援策は住まいに目が向けられ、転入者や若者層などの住宅問題を解消することが強調されており、政府側の気配りした姿勢がうかがえる。

(中国経済新聞)