香港の民放テレビ局「電視広播(TVB)」は5月31日、通販サイトのタオバオによる9回目のライブコマースを放映した。売上高は1億元(約19.6億円)を超え、視聴者数はのべ1000万人近くに達している。「ミス香港登場」をテーマとしたこの番組は、多くのミスたちが様々な言語で9時間にわたり商品のPRをした。TVBは通販セール「618」の期間中に6回のライブを放映する予定で、すでに2回が終了している。
TVBはまた、2023年にタオバオと提携してライブコマースを48回以上放映する予定で、100億円以上の収益を見込んでいる。1967年に開局し中国語での商業番組制作元として世界最大のTVBは、香港で人気NO.1のテレビ局でもあり、最近はライブコマースを手掛けるなど利益チャネルの拡大に努めている。
TVBの2022年の決算を見ると、グループの売上高は前年の28.99億香港ドル(約516億円)を24%上回る35.86億香港ドル(約638億円)であったが、赤字額も前年を25%上回る8.07億香港ドル(約144億円)を計上している。
2022年、TVBは香港で視聴率トップの座を守り、視聴シェアは77%に達した。テレビやラジオの収入は前年の12.25億香港ドル(約218億円)から6%増え、売上全体の36%となる12.94億香港ドル(約230億円)に達した。また制作した番組は計22700時間、中国本土での売上高は2021年の6.66億香港ドル(約119円)から5%増えて6.98億香港ドル(約124億円)となった。
海通国際のレポートでは、TVBは2023年にタオバオで計48回のライブを実施し、1回あたりの平均GMVは中国元で1300万元(約2.31億円)、マージン率は7%で、年間GMVは同6億元(約118億円)に達すると予測している。またタオバオのライブやTiktokのライブコマース、広告事業におけるTVBの収入は、2025年に同5億元(約98億円)以上となる見込みである。
(中国経済新聞)