河南省鄭州、夜8時以降は地下鉄運賃が1分(1円未満) 夜間経済の拡大狙う

2023/06/5 23:55

河南省鄭州市は6月1日から、20時以降に地下鉄を利用する際、APPの「商易行」、アリペイやWechatのアプリ、銀聯クラウド、竜支付といったキャッシュレス決済または顔認証を利用すれば運賃をわずか1分(1円未満)に減額するサービスを始めた。「夜間経済」拡大に向けての取り組みである。

こうした地下鉄のサービスに路線バスも同調している。運営会社の「鄭州公交集団」が夜間の路線網沿線について調査や整理をし、「買い物、グルメ、観光」が楽しめる人気の商業施設やスポットをにらんで、同じく6月1日から1か月間にわたり新規の夜間路線30本の運行を始めている。

鄭州市は、2020年に行われた中国観光研究院の「中国夜間経済フォーラム」で、「夜間経済上位20都市」に選ばれている。また2023年5月の統計では、「夜間経済」の規模がおよそ1800億元(約3.56兆円)に達し、一般消費財の小売総額に占める夜間消費の割合が40%以上となっている。

浙江省寧波でも今年2月13日から、夜間や休日の経済活性化に向けて、平日の20時以降および土・日・祝日の終日、地下鉄1-5号線で運賃が無料化されている。期間は6月30日までで、乗車の際は切符もいらず、ICカードやコードのスキャンも不要である。

ただその費用対効果であるが、無料化で客足は増えたものの消費には結びついていないようである。「寧波日報」は当時、「利用者の増加は単なる1歩目であり、それをお金に変えられるかどうかが重要だ。本気で活性化を狙うには夜8時以降が対象のクーポンを支給するなど、地下鉄利用に『テーマ』を持たせるような取り組みが必要」とコメントしていた。

(中国経済新聞)