中国、住宅購入希望の独身女性が急増 

2023/05/14 13:30

ここ最近、中国で「她購房」(Ta Gou Fang)という言葉をよく耳にするようになった。「她購房」とは、女性が住宅を購入することを意味する中国語で、特に独身女性の住宅購入を表現することが多い。中国では、近年女性の社会進出や高学歴化が進み、女性の結婚感にも大きな変化がでてきている。

中国青年報社社会調査センターが、このほど2006人を対象に行った調査によると、回答者の8割以上が「ここ数年、周りの独身女性が住宅を購入することが増えている」と回答、回答者の93.9%が「独身女性の住宅購入を支持する」と回答した。また、女性回答者の多くが「住宅購入は仕事のモチベーションにつながる」、「住宅購入をすることで人生設計ができる」など住宅購入にポジティブなイメージを抱いていることがわかった。

上海に住む27歳の会社員の女性は、3年前から友人とルームシェア―をしていたが、賃貸契約満了を迎えるのと同時に、住宅を購入した。32歳の女性は、毎月の家賃も高く、自分への投資として思い切って住宅購入を決めた。

2019年に中国の12都市を対象に行った中古物件の購入者調査によると、女性が全体の46.7%を占め、男性に迫る勢いを見せている。都市別では、1級都市の北京市、深圳市における男女比は1:1、2級都市の鄭州市(河南省)、長沙市(湖南省)、西安市(陝西省)では、30歳以上の女性の住宅購入者数が男性の購入者数を上回っている。また住宅購入者の女性は、ほとんどが80年代、90年代生まれの20代後半から40代前半に集中しており、一人っ子政策の下で生まれた世代である彼女たちは、自分の給料以外にも両親からの経済的援助を受け、若くても住宅を購入できる環境にある。

天津社会科学院の元主席研究員の潘雲康氏は「中国では結婚する時、嫁いでくる女性を迎え入れるため男性が家を準備するのが一般的だった。だが近年、女性による住宅購入が増え、伝統的な考えに大きな変化が生じている」と述べた。

北京でPR会社を営む張跳氏は「独身女性の住宅購入は、女性の地位向上を反映しており、女性が独身時代に自分で住宅を購入することで、結婚後も夫と平等な関係を築くことができる」と述べた。

(中国経済新聞)