東北三省(遼寧省、吉林省、黒龍江省)における2022年の人口が発表され、三省とも常住人口が20万人以上減少していることがわかった。データによると、黒龍江省の2022年末の常住人口は前年より26万人減の3099万人、遼寧省は前年より32万4000人減の4197万人、吉林省と合わせて東北三省の常住人口は昨年より86万800人減少した。
東北三省における常住人口の減少幅が大きいのは、主に出生率の低さが関係している。データによると、昨年の黒龍江省の出生率は1000人あたり3.34人、遼寧省は1000人あたり4.08人、吉林省は1000人あたり4.33人で東北三省は出生率で全国ワースト3位だった。人口の自然増加率では、黒龍江省が1000人あたり-5.75人、遼寧省が1000人あたり-4.96人、吉林省が1000人あたり-4.07人で、これもワースト3位だった。
データによると、昨年の吉林省の出生数は10万2300人、黒龍江省は10万3900人、遼寧省は17万2000人で、3省の合計出生数は40万人を割り込み37万7400人となり全国に占める割合はわずか3.95%だった。東北三省の居住人口は合わせて9600万人以上だが、昨年の出生数は南西部の雲南省より少ない結果となった。
吉林大学東北アジア研究所の衣保中教授は、近年、東北地方の景気低迷により雇用機会が乏しく、若者の人口流出が顕著になり、出生率に影響を与えていると分析している。また、特に東北地方は早くから都市化、工業化が進んだことで国有企業や行政機関で働く人が多いため、かつては計画生育政策が厳しく全国でも一人っ子が多い。そのため現在、一人っ子層が結婚・出産期に入っても出生率は低いままとなっている。
(中国経済新聞)