上海の子なし80年代生まれ夫婦が「6000万円ためて早期リタイヤ」に返答

2023/03/1 14:49

近日,上海のある30代の夫婦が、300万元(約6000万円)をためて揃って「リタイヤ」した、とのコメントを発表した。

コメント主である妻の陳さんは、子供は作らずに2人だけの世界を気軽に楽みたいと考えている。夫婦ともに片親であって、年齢的に子供の面倒は見られないので好きなことをして欲しい、と願っているという。

夫婦は家も車もあってローンはなく、リタイヤして每日のんびり過ごすという。「お金を使い切ったらどうするのか」との声に陳さんは、「その時になってから考える」と表明している。

SNSの動画を見ると、「上海の30代夫婦が6000万円で『早期リタイヤ』」がツイートされ、每日の出

費も公開されている。

陳さんの計算では、夫婦2人の生活費は多くても1日1000元、少なければ1銭も使わず、月々の平均も6000元前後としている。働き始めてから2人合わせて300万元(約6000万円)をため、預金した上で一部を株やファンドに投資して、その分の収入を月1万元(約20万円)と見ており、70歳ぐらいまで食べていけるという。

子供を持たないことが主流になっている上海市で、先ごろ発表された「2022年度人口観測統計データ」を見ると、常住人口のうち子供が1人の割合が66.01%、2人が29.46%、3人以上が4.53%で、戸籍登録人口では子供1人が73.80%、2人が24.34%、3人以上が1.86%となっている。出産適齢期の女性は600万人以上いるが、このうち戸籍所有者は290万人、既婚・戸籍ありは184万人にとどまる。なお上海は合計特殊出生率が0.7、つまり夫婦が一生のうちにもうける子供の数が平均0.7人という状態である。

ちなみにアジアの他の大都市の出生率を見ると、シンガポールが1.12、東京が1.09、ソウルが0.63である。上海はすでに、回復が望めないとされている「1.5の落とし穴」はおろか、0.7を切っている。

(中国経済新聞)